【01】自動車排ガス浄化用触媒
自動車の排ガス規制は、規制値も強化される方向で、実施される地域が世界的に拡大している。特に、米国では、HCやNOxに対して段階的に強化が予定されている。日本では、2000年からガソリン車の排ガスの規制強化がされている。
自動車用触媒は自動車の排気パイプのエンジンとマフラーの中間位置にコンバーターの形で取付けられている。
コンバーターの中には、ハニカム状のコージェライト担体にアルミナ及び貴金属(Pt、Pd、Rh)等をコーティングした触媒が入っている。コート層は触媒成分である貴金属、アルミナ、これらのシンタリングを抑制する安定化の為の副成分、そしてOSC(Oxygen
Storage Component)と呼ばれる機能を持ったセリア(CeO2)等から成っている。
3way触媒は化学プラントなどで使われる一般触媒と異なり、反応ガスの濃度や触媒床の温度が様々に変化し、エンジンオイル等の被毒物に長時間晒される厳しい条件下で使用される。この様な非常に過酷で且つ、搭載されている車が壊れるまで(交換無しで)その性能が保証されねばならない点に評価・開発の難しさがある。
ガソリン車用の触媒は、エレクトロニクス化によるエンジンの理論空燃比制御により、CO、HC、NOxを同時に酸化還元する3way触媒システムが主流を占めており、触媒もこれに対応した3way触媒が定着している。
地球温暖化対策の一環として自動車には低燃費要求があり、リーバーンエンジンの拡大が図られている。リーン領域でのNOx低減は難しいが、NOx吸蔵還元型触媒が実用化され、リーン領域でのNOx低減が可能になった。この浄化原理は以下の通りである。排ガス中のNOxは酸化雰囲気では貴金属上で酸化され、それに隣接するNOx吸蔵物質と結合して硝酸塩を形成して触媒中に吸蔵される。還元雰囲気、及び当量点では硝酸塩が分解し、貴金属上で還元性ガスと反応して窒素に還元される。この過程で吸蔵物質はNOx吸蔵と還元を繰り返すことによってNOxを浄化している。
ディーゼル排ガスは、酸素リッチで、HC含有量が少なく、排ガス温度が低い。燃料中には触媒毒となる硫黄分が多く、触媒表面をカバーリングして性能を低下させるパティキュレートも含むなど、触媒には厳しい条件である。HC吸着触媒の考え方を適用し、ゼオライトを用いて低温でHCを捉え、昇温時にHC-NOx反応を促進する方法が検討されている。低い排ガス温度に対しては低温活性に優れた貴金属系触媒を活用する方法が有効と考えられるが、N2Oの制御が課題として残る。ディーゼル排ガスの場合、パティキュレートも還元剤として利用できる可能性があり、PM-NOx反応による同時低減法も検討されている。
米国のSULEVやPZEVレベルの規制対応として、エンジン始動直後の有害排出物低減の為に吸蔵材を使用した新規技術が導入され始めた。自動車用触媒に使用されている貴金属は高騰しており、その使用量を低減しながら、厳しい規制値を満足させる触媒技術開発が今後の課題である。
(株式会社 キャタラー)
| (1) 搭載位置 |
(2) 触媒 |
 |
 |