【02】環境保全用触媒
酸性雨、悪臭などの公害防止や環境保全 用にさまざまな触媒が使用されている。
1.脱硝触媒
脱硝触媒は火力発電所のボイラなどの排ガス中の窒素酸化物( NOx)をアンモニア(ガス又は水溶液、尿素水でも可能)を還元剤として窒素に還元する選択的還元法(SCR法)が一般的に用いられている。成分はチタン−バナジウム系、形状はハニカム又はプレート状が一般的である。
欧米、日本、台湾に加え排ガス規制の強化により韓国でも使用されはじめた。
2.ダイオキシン類分解触媒
ごみ焼却炉では平成14年末のダイオキシン規制実施にともない、ダイオキシン分解触媒の採用が急速に拡大した。排ガス中の酸素によりダイオキシン類を水、炭酸ガス、塩酸に分解するもので、活性炭噴霧、
バグフィルタなどとの組み合わせて新設のごみ焼却炉では一般的に採用されている。成分はチタン−バナジウム系、形状はハニカム又はプレート状が一般的であるが、バグフィルタのろ布に触媒成分を塗布したタイプも提案されている。
3.脱臭触媒
各種産業から排出される悪臭成分の多くは炭化水素成分からなり、完全酸化型脱臭触媒により無害な水と炭酸ガスなどに分解し、無臭化することができる。 無触媒の直接燃焼法に比べ低温で処理することが出来る、成分濃度によってはスタートアップ後は、燃料を必要としない省エネルギー運転が可能なことが特徴である。
プラチナ、パラジウムなどの貴金属を活性 成分とし、形状はペレット、ハニカム、金属発泡体などさまざまな形状が用途に合わせて採用されている。 化学薬品、印刷、樹脂、食品製造工場などの悪臭防止に採用されており、PRTR法、ISO14001などにより、さらなる活躍が期待される触媒である。
有機ハロゲン炭化水素の分解触媒、アンモニア分解触媒なども提案されている。
4.一酸化炭素酸化触媒
排ガス燃焼装置などの不完全燃焼などにより発生する一酸化炭素の酸化触媒としては、ホプカライトに代表される一酸化炭素酸化触媒(銅−マンガン系)は常温で反応することから、非常用防毒マスクなどに使用されている。
排ガス燃焼装置などの不完全燃焼などにより発生する一酸化炭素の酸化触媒としては耐久性に優れた貴金属系触媒が使用されている。
5.生活環境保全用
触媒は工業的な分野に限らずに生活環境の保全、改善用にも広く使用されている。 オゾン分解触媒は北極近くの高高度を飛ぶ航空機内の換気空気、オフィスルームで使用される複写機排気などに含まれるオゾンの処理に採用されている。
エアコン、空気清浄機の脱臭用、殺菌用に 酸化チタンを薄膜コーティングした光触媒が採用されている。 その他冷蔵庫内の脱臭、電子レンジ内のセルフクリーニング機能、こたつ内の脱臭、生ごみ処理機の脱臭、野菜の鮮度保持用の
エチレン分解触媒などアメニティ改善用にさまざまな触媒が採用されている。
(日本触媒)