触媒工業協会
お問い合わせ交通アクセス

触媒統計
触媒の話(コラム)
【16】 燃料電池用触媒
【15】 生活関連用触媒
【14】 無機化学品製造用および雰囲気ガス製造用触媒
【13】 医薬・食品製造用触媒
【12】 油脂加工用触媒
【11】 ガス製造用触媒
【10】 高分子重合用触媒(その2)
【09】 高分子重合用触媒(その1)
【08】 石油化学製品製造用触媒(その4)
【07】 石油化学製品製造用触媒(その3)
【06】 石油化学製品製造用触媒(その2)
【05】 石油化学製品製造用触媒(その1)
【04】 石油精製用触媒(その2)
【03】 石油精製用触媒(その1)
【02】 環境保全用触媒
【01】 自動車排ガス浄化用触媒
トップページに戻る
協会関連情報 会員企業情報 触媒に関する情報

HOME > 触媒の話(コラム)

触媒の話(コラム)

【12】 油脂加工用触媒

1.概要
油脂加工業は、@マーガリン、ショートニングで代表される食用加工油脂及び工業用硬化油脂製造、A脂肪酸、高級アルコール等の油脂化成品製造、B洗剤、化粧品工業、C界面活性剤、可塑剤製造に大別される。これから生み出される各種油脂誘導体は非常に種類も多く、複雑多岐に亘っているが、硬化油、脂肪酸、アルコール、アミンを中心として展開されており、家庭用製品、工業用製品の両面に幅広く利用されている。
近年特徴的なことは、国内はここ数年横這いの傾向なのに比べ、中国の旺盛な需要の伸びに合わせて中国を初め、韓国や東南アジアへの生産のシフト化の傾向が見られる。
また、これまで高級アルコール製造用等に主として使用されていた銅クロム触媒が、環境面からクロムフリータイプの銅触媒に移行していることも大きな変化である。実用触媒は還元ニッケル触媒、スポンジニッケル触媒、クロムフリータイプの銅触媒、銅ニッケル触媒等であり、これを用途別に硬化油、化粧品油脂、高級アルコール及びアミン各製造用に分けて以下に説明する。

2.工業用・食用硬化油及び硬化脂肪酸の製造
油脂は炭素数、不飽和度の異なる種々の脂肪酸とグセリンからなる混合トリグリセライドで構成されており、炭素−炭素結合の不飽和結合を有している。
水素添加(硬化)の目的は、不飽和結合を水素化することにより、安定性(耐酸化性、耐熱性、匂い)の改良、融点、硬さの調整、保形性の強化等、油脂及び脂肪酸の化学的、物理的性質を改質することにある。これらの用途には通常フレーク状の還元ニッケル触媒が使用されているが、国内では一旦懸濁して計量し、液体として使用するのに対し、海外では触媒そのものを計量するため、パステル状(マーブル状)のものが用いられている。
触媒に対する要求は、まず、工業硬化油の場合は、油脂は通常ステアリン酸に代表される飽和脂肪酸にまで極度に硬化するため、特に高活性の触媒が要求される。また脂肪酸の硬化においては、脂肪酸中へのニッケルの溶出が生じないよう耐酸性の強い触媒が要求されている。次に食用硬化油の場合は、動・植物油を水素化することによりマーガリン、ショートニング等の原料を製造しているが、部分水素化する場合が多く、触媒の選択的水素化能が要求される。かっては魚油を主体とする動物油脂用、或いは大豆油、ナタネ油を主体とする植物油脂用等、用途別に各種触媒が求められていたが、最近の傾向として日本近海の鰯の漁獲量が激減し、殆ど魚油が使えなくなりその代替として、パーム油、パーム核油等植物油が主体となっている。それに伴って触媒使用量もかなり減少傾向が見られる。
また、2006年1月から米国FDAが実施する加工油脂製品のトランス酸含有量の表示義務によって、トランス酸に対する動きが今後注目され、トランス酸生成量少ない触媒が望まれると思われる。

3.化粧用油脂の製造
化粧用として使用される油脂、脂肪酸、高級アルコール類は、含有する高度不飽和脂肪酸に起因する酸敗臭及び高度不飽和成分による臭いがあるため、脱臭して臭いの少ない安定な油脂製品にする必要がある。脱臭の方法として水素化する場合が多く、水素化により脱色を兼ねる場合もある。このように精製の一方法として水素化触媒が使用されており、これが化粧品の経日安定性を保つ要因の一つとなっている。触媒は還元ニッケル、スポンジニッケル、ギ酸ニッケル、Pd、Pt等の貴金属、クロムフリー銅触媒等がそれぞれ使用されている。

4.高級アルコールの製造
触媒を使用した還元法による高級アルコールの製造は、原料として脂肪酸メチルエステルを用い、通常水素圧150〜300Kg/cm2、温度250〜320℃の非常に厳しい条件下で行われている。高級アルコール用触媒は、これまで助触媒としてバリウムやマンガンを添加した銅クロム触媒が使われていたが、現在環境対応から、クロムフリータイプ銅触媒やの銅・鉄・アルミナ触媒等が使用されている。Re、Ru、Rh等の貴金属触媒は脂肪族還元用触媒としては、あまり使用されていない。
近年は中国の旺盛な需要増によって大きな伸びが期待されるが、東南アジア等での生産にシフトしており、国内生産は減少傾向にある。

5.脂肪族アミンの製造
陽イオン界面活性剤、両性界面活性剤等の原料として重要な脂肪族アミンは、脂肪酸とアンモニアの反応によって得られるニトリルを原料として製造されている。他に高級アルコールを原料とする方法もあるが、いずれも水素化を含む触媒反応であり、触媒機能としては脱水素化能及び水素化(分解)能が必要であり、このバランスが重要である。
副反応としてはアミンの不均化、アルデヒドのアルドール縮合及び脱カルボニル反応等が考えられ、これらをいかに制御するかが問題である。触媒はクロムフリータイプの銅触媒、銅−ニッケル等二〜三元系複合触媒が活性、選択性共に良好である。またニッケル珪藻土触媒やスポンジニッケル触媒も使用されている。


【01】自動車排ガス浄化用触媒
【02】環境保全用触媒
【03】石油精製用触媒(その1)
【04】石油精製用触媒(その2)
【05】石油化学製品製造用触媒(その1)
【06】石油化学製品製造用触媒(その2)
【07】石油化学製品製造用触媒(その3)
【08】石油化学製品製造用触媒(その4)
【09】高分子重合用触媒(その1)
【10】高分子重合用触媒(その2)
【11】ガス製造用触媒
|【12】油脂加工用触媒|
【13】医薬・食品製造用触媒
【14】無機化学品製造用および雰囲気ガス製造用触媒
【15】生活関連用触媒
【16】燃料電池用触媒
top
(c) Copyright CATALYST MANUFACTURERS ASSOCIATION All Right Reserved.